月にうさぎの餅つきが見える訳と海外からの見え方
うさぎうさぎ 何見て跳ねる 十五夜お月様 見て跳ねる
ご存知、童謡の「うさぎうさぎ」の歌詞ですね。
秋の風物詩であるお月見の風習とともに、
日本では古くから、月にはお餅をつくうさぎが住んでいるという言い伝えが
残っています。
確かにまん丸の満月を眺めていると、
一匹のうさぎが杵を持ってお餅をついている姿が映っているように見えてきます。
見るだけでロマンティックな気持ちになりますよね。
そこで、今回は、なぜ、月でうさぎが餅をついているように見えるのか、
世界の人は、月の中にどんな姿をに見ているのかなどについてご紹介します。
なぜ月にうさぎの模様があるの?
夜空の月を見ると、明るい部分と暗い部分があるのが分かります。
特に、満月の時に、暗い部分をじっと見つめていると、
まるで「うさぎがお餅をついている」ように見えてきます。
この月の暗いところは「海」と呼ばれていて、
「晴れの海」や「雨の海」、「静かな海」や「豊かな海」、
などの名前が付けられています。
でも、水がある本当の海ではありません。
月の海は黒色の玄武岩でできているので暗く見えるのです。
一方、月の明るい部分は、斜長岩という白い岩石でできています。
こうした、黒と白のコントラストの中で、
海の黒い部分が、うさぎがお餅をついているように見えるということなんです。
また、このうさぎの模様は、月が満ち欠けしても変化することはありません。
これは、月が自転する周期と好転する周期が同じで、
いつも同じ面が地球に向いているからです。
つまり、ウサギのお餅をついた姿に見えるのは、
日本又は日本に近い方位にある国からになると言うことですね。
世界では月の模様がどう見ているのか?
では、世界の人は、月の模様をどんな風に見ているのでしょうか?
アメリカ:女性の横顔
ヨーロッパ:本を読むおばあさん、大きなはさみを持つかに、女性の横顔
木につながれたロバ、キャベツ畑の泥棒、カボチャを食べる男
韓国:うさぎの餅つき
インドネシア:編み物をする女性
ベトナム:大木の下で休む男性
モンゴル:犬(嘘をつくと月の犬が吠えるとされています)
中国:薬草をつくうさぎ、天女、ヒキガエル、うさぎ
隣国の韓国や中国でもうさぎの模様に見えてるんですね。
その他の国も、そう言われてみればそんな風に見えてくるから不思議です。
そして、それぞれの国における月の模様には、それぞれの伝説があるようです。
いくつかご紹介しましょう。
月にうさぎがいるという伝説
昔、うさぎと猿、狐の3匹が、山の中で倒れている老人を見つけました。
猿は木の実を、狐は魚を取るなどして老人に食べさせます。
ところが、うさぎだけは、何も狩猟できなかったのです。
うさぎは何とか老人を救いたいと考えた果てに、
自分の身を焼いて食料にする決断をし、猿と狐が焚いた火の中に飛び込みます。
実は老人の正体は帝釈天でした。
うさぎが身を捨てて行った慈悲を後の世まで伝えるため、
うさぎを月に昇らせたのです。
月に映るうさぎの周囲に見える影は、身を焼いた時に出た煙だと言われています。
これは、インドに伝わる仏教説話で、
日本においても、「今昔物語集」の中にも収録されています。
何だか物悲しい物語ですよね。
月の模様にまつわるメキシコの民話
面白いことに、メキシコでも、月の模様をうさぎと考えていたようです。
また、インドなどと同じような伝説が残っています。
地上で人間として生きていた神が旅に出ますが、
ある日、飢えと疲れに襲われます。
その時に、近くで草を食べていたうさぎが、
神を救うために、自分自身を食料として捧げたのです。
感激した神は、うさぎを一旦月にあげた後、地上に下ろし、
「月の光の中にお前の姿を写した。
誰もがいつまでもお前の姿をみることができるだろう」とうさぎに言ったということ。
ここでも、うさぎは献身的で慈悲深い生き物として描かれているんですね。
古代中国の説話
夫の不老不死の薬を盗んで、
月に逃げ去った小賢しい女が変身してヒキガエルになったという伝説です。
前漢の出土品の中には、
うさぎとヒキガエルが一緒に描かれた絵画もあるようです。
以上、今回は、なぜ、月の模様がうさぎに見えるのか、
また、世界ではどう見られているのかなどについてご紹介しました。
ご紹介した以外にも、世界各地には、
月にまつわる数々の神話や伝説があるようです。
模様の見え方も民族や国民の気質などによって違ってくるんですね。
満月の夜、改めて月を眺めてみませんか?
あなたの目には、どのような模様が見えるのでしょう^^
この記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。
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