効果的に打ち水をするコツ
道路や庭先などに水を撒く打ち水。
道路などの舗装が施されていなかった時代には、
土埃が舞い上がらないようにという意味合いもあったようですが、
夏の間は、熱くなった地面の熱を奪うことになるので、
涼気を得ることもできます。
「先人の知恵ってすごいですよね!」
そこで、今回は、この打ち水について、
効果的なやり方や注意点などについてご紹介します。
是非参考にしてくださいね。
効果的な打ち水をするためのコツは?
それでは早速、効果的に打ち水をするコツについてご紹介しましょう。
具体的なお話に入る前に…
まずは、なぜ、打ち水をすると涼しくなるのか、その原理について見ていきます。
打ち水によって涼しくなる理由は?
打ち水によって涼しくなるのは、
撒く水が冷たいから、なんて思っている人はいませんか?
そうではありません。
打ち水した水が蒸発する時に、
地面の熱を吸収するので気温が下がるのです。
このように、液体が気体に変化する時に、
吸収する熱のことを「気化熱」あるいは「蒸発熱」といいます。
水が蒸発するためには熱が必要になりますが、
その熱は、水が直接接しているもの、
打ち水でいえば、地面から奪っていきます。
これが打ち水の原理なんです。
ちなみに、気化熱とは、1gの液体を沸点で気化させるのに
必要な熱量のことで、気化する温度によって変化します。
水の場合、1気圧で100℃の時の気化熱は、
539cal/g、20℃では586cal/g、0℃では596cal/g必要になります。
打ち水をした直後は、湿度も上がるので、一瞬ムッとした感じがしますが、
地面から気化熱を奪うので、その後は温度が下がって涼しくなります。
水が冷たいからではないので覚えておいてくださいね!
打ち水のやり方は?
次に、打ち水のやり方です。
打ち水と聞くと、気の桶に水を入れて、ひしゃくで汲んで地面に撒く、
そんなイメージが頭に浮かぶという方が多いでしょう。
もちろん、現在でも、そんなやり方をされている方もおられますが、
ひしゃくがなくても、手で水を撒くだけでも構いません。
また、ジョウロやホースなどを使って撒いてもOKです。
最終的には、地面にまんべんなく水を撒くようにすれば、
どんな方法でもいいのです。
打ち水をするのにいい時間は?
打ち水の効果をしっかりと引き出すためには、
打ち水をする時間が最も重要になります。
ついつい犯してしまう過ちは、
日中の一番暑い時間に打ち水をしてしまうことです。
「焼け石に水」ということわざがありますが、
文字通りこの状態が起こってしまうんです。
暑い時に水を撒くと、確かに気化熱で熱を奪ってくれますが、
すぐに蒸発してしまうので冷却効果が得られません。
かえって蒸し暑くなる場合だってあります。
そこで、打ち水に最適な時間は、
気温が比較的低い、午前中や夕方です。
日差しの少ない時間で効果があるの?
そう思われるかもしれませんが、朝・夕に打ち水をすることで、家の周囲の温度を下げて、エアコンなどの使用を控え、日中の暑い時だけ使用すれば、電気代の節約にもつながります。
また、朝・夕にすれば、地表の埃が舞うのを抑える効果もありますよ!
打ち水をするのに効果的な場所は?
それでは、打ち水はどこにすれば効果的なのでしょうか。
打ち水のベストスポットは?
ご紹介したように、
あまりにも暑い時に打ち水をすると逆効果になってしまいます。
ということは、気温が高い日向よりも、
低い日陰で、しかも風通しの良い所に打ち水をするのがベストです。
地面だけではなく、コンクリートの壁などに水をかけても冷却効果があります。
植木などがある場合は、同時に水やりをされることをおススメします。
植物は水を効率よく蒸発させますし、
何より水分を補給することで元気に育ってくれます。
正に一石二鳥ですよね!
打ち水はベランダでもOK!
打ち水はしたいけど、賃貸マンションだから無理、
そう考えて諦めている方はいませんか。
いえいえ、打ち水はベランダに撒いても効果があるんです。
エアコンの室外機の周囲や建物の壁面に打ち水をすると、
さらに冷却効果が上がります。
ベランダで植物などを育てている方は、ついでに水やりもしてあげましょう。
先述したように効果を得ることができますよ!
打ち水をする時に注意したいことは?
ご紹介したように、家の周囲の温度を下げる効果がある打ち水ですが、
実際に行う時に注意するポイントをご紹介します。
エコ意識を持つ!
気温を下げることで電気代は節約できても、
打ち水を水道の水を使って水道代が上がった、
なんてことになればシャレになりませんよね!
打ち水は、飲料用でも身体に直接かけるものでもありません。
生活の中で余った水を使って、エコを意識した打ち水をしましょう。
残り湯を使う!
日常の生活で余る水と聞いて、
すぐに頭に浮かぶのはおふろの残り湯です。残り湯を洗濯に使っている方も多いでしょうが、それでも、まだ余裕があるはずです。打ち水に使えば、排水するムダを省くことができますよ。
雨水を溜めておく!
雨水も有効に活用しましょう。
雨水を溜めると言っても、特別な設備などはいりません。雨が降った時に、バケツなどを戸外に出しておくだけでいいんです。雨量にもよりますが、打ち水1回分の水なら容易に溜めることができます。
少し量が多い時は、ペットボトルなどに入れて保存したり、植物の水やりなどにも使用できます。
熱中症には気を付ける!
午前中や夕方は、比較的気温が低いとは言え、
夏場の時期ですから、
それなりに高い状況の中で打ち水をすることになります。
熱中症などにかからないよう、
帽子などを着用して作業するようにしましょう。
以上、今回は、打ち水について、
効果的なやり方や注意点などについてご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
最近は地球温暖化の影響からか、
猛暑日が多く発生しているような気がします。
また、特に都市部においては、
地表がアスファルトやコンクリートで埋め尽くされていて、
そこに熱が蓄積された結果、ヒートアイランド現象も引き起こしています。
打ち水は、昔からの日本の風習とも言えますが、
そんな現代社会であるからこそ、
打ち水の効果が発揮されるということではないでしょうか。
ご紹介したような効果的な方法や注意点を頭に置いて、
暑い夏を乗り切っていきましょう。
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