天気予報やスポーツで聞く「台風の目」って、どういう意味?

「台風の目」の意味

台風シーズンになると、天気予報や気象情報などでよく聞かれる
「台風の目」という言葉がありますよね。

これって、皆さんは正確な意味とか、具体的には何なのかとか、
詳しいことを知っていますか?

私は今まで何となく「台風の中で晴れているところ」とか
その程度の認識しかありませんでした。

先日、天気予報を見ながらの家族との会話の中で、
「ところで台風の目ってなんなの?」という話になったものの、
誰も詳しい説明は出来きなかったんですね^^;

台風の目って、スポーツの試合などで波乱を起こしそうな選手などに対しても使われたりするよね?

また、「台風の目って、スポーツの試合などで波乱を起こしそうな
選手などに対しても使われたりするよね?」
という話題にもなり、
気象現象の台風の目だと晴れているのに、スポーツだと波乱?
と何がなんだか考えても分からず、凄く気になってしまいました。

そこで今回は、この「台風の目」という言葉について、
意味を詳しく調べてみることにしましたよ。

私と同じく、今まで何となくの認識しか無かった方にも、
雑学の引き出しをひとつとして読んでいただけたら嬉しいです。

 



 

気象現象における「台風の目」とは?

1.台風の目とは具体的には何なのか?意味は?

台風は、主に夏から秋にかけて発生する気象現象で、
猛烈な熱帯低気圧のことをいいます。

台風が通過する地域では暴風雨になり、屋根が飛ばされたり、
木や電柱が倒れたり、土砂災害が起きたり…と
毎年大変なことが起こっていますよね。

台風の目とは具体的には何なのか?意味は?

そんな恐ろしい威力の台風ですが、全体はどういう形になっているかというと、
これは気象衛星などで高い位置から見るとわかるのですが、
渦を巻いた雲の塊になっており、その渦の中心部は雲が無く、
まるでその形が「目」のように見えることから、「台風の目」と
呼ばれているのだそうです。

テレビの天気予報・気象情報でも、気象衛星からの画像を
紹介することがありますが、それを良く見ると、
確かに台風の中心部には雲が無いことが確認できますので、
次に見る機会があれば、ぜひ注目してみてください。

 

 

2.台風の目はどうやって発生するの?

台風の目の意味が分かったところで、それが何故、
どうやって発生するのか、というのも気になってきますよね。

というわけで台風の目の発生について、台風のメカニズムとともに調べてみました。

台風が出来る原因は、海水が太陽の熱によって温められて蒸発したものが、
水蒸気となって上空に昇っていくときにこの水蒸気が一度に昇ると
上昇気流を生み出しつつ冷えて雲に変化し、その上昇気流から発生した風が
雲の中心へと吹き込み、それがだんだん渦となることで生まれます。

その渦に、周囲の雲が巻き込まれ、成長して大きくなると、台風になるのです。

ではその台風の渦の中心に、なぜ雲のない台風の目が発生するのかというと、
一言でいうとそれは遠心力によるもの。

遠心力とは、
円で回転しつづける力があると、円の中心から外へ向かおうとする力が働くこと。

周囲の雲が巻き込まれ、成長して大きくなると、台風になるのです

子供の頃、「水を入れたバケツを振り回しても何故か水が零れない!凄い!」
という体験をしたことがありませんか?あれがそうです。

ぐるぐる回したバケツの中の水は円の外に行こうとし、
でもバケツの口は円の内側を向いているので零れないんですね。

これを台風に当てはめてみると、中心部を回って吹いていた風が、
台風の渦の円の外側へ行こうとして、その時に、台風中心部の雲も、
その風といっしょに外側へ移動していきます。

その結果、渦の中心は雲が薄く無くなっていき、台風の目となるのです。

このへんの詳しい話は、気象庁の台風についてのページに、
発生から衰弱まで、「台風の一生」として詳しく載っています。

台風画像付きで、台風の目も確認できて分かりやすいので、
興味があれば覗いてみてくださいね。

気象庁/台風の一生

 

 

3.台風の目の中はどうなっているの?

台風の目の中には雲が無い・または薄い、と前項までで書いてきましたが、
そうなると当然、ここには暴風雨は無くなり、場合によっては雨も晴れて、
きれいな青空になることもあります。

私が冒頭で書いた「台風の中で晴れているところ」という認識も、
ここからきていたのですね。

また、この話から、台風が上陸している最中、突然晴れたからといって、
「台風が去った!終わった!」と安易に油断することは出来ない、
ということも分かりますよね。

台風の中で晴れているところ

その晴れた空が台風の目のせいとなると、台風は移動して行きますから、
今いる場所に再び台風の渦の雲の濃い部分がきたら、
また暴風雨が始まるということです。

ちなみに、台風の目から外れた部分は台風の全体の中でも、
特に雨風が強くなる部分だそうで、気象情報などに注視して、
まだ台風がその地域から去っていないのに晴れた、なんて場合は、
より注意が必要かなと思います。

 



 

スポーツなどで使われる表現の「台風の目」の意味とは?

さて、冒頭にも書きましたが、「台風の目」って、気象現象だけではなく、
スポーツでも使われる言葉ですよね。

たとえば「このリーグでは、〇〇選手が台風の目になった」とか、そんな感じです。
言葉から受けるイメージでは、波乱を巻き起こしそうな人に対して
使われる感じがしますが、
この、スポーツで使われる台風の目の意味は、調べたところ…

『物事の中心にあって、これからの事に大きな影響を与える、勢力または人物』
という意味の慣用句なんだそうです。

これは、「台風の中心部(目)は無風状態であるが、
その目が移動すると急に強風が吹くこと」に由来した意味なのだそうで
周りに与えられる影響の大きさが、台風の暴風雨に喩えられているんですね。

物事の中心にあって、これからの事に大きな影響を与える、勢力または人物

言葉の使われ方としては、
誰もが最初から活躍を予想でき注目されるような人や物ではなく、
意外な人や物に使われる言葉みたいです。

たとえばスポーツの試合やリーグが始まってみたら、
当初に周りから注目や期待をされていたエースではなく、
最初は誰も気に留めていなかった無名選手が突然大きな活躍をして
勝敗のゆくえを左右したりすると、
この活躍した無名選手が「台風の目」と表現されて話題となったりするわけです。

逆に、エースが活躍して試合に勝っても台風の目とは言われません。

誰もが最初から活躍を予想でき注目されるような人や物ではなく意外な人や物に使われる言葉みたいです。

エースの活躍は誰でも予想できるものですから影響は小さいが、
全くノーマークだった無名選手の活躍は試合の行方や
周囲に与える影響が大きい=無名選手は台風の目、ということみたいですよ。

ちなみに、この言葉は別にスポーツだけで使われるのではなく、
周囲に大きな影響を与えたり話題の中心に居る、
またそこから予想を覆すような事を行う人や勢力、物、に対して使われます。

たとえば、
「今回の選挙では、〇〇党が台風の目となった」なんて使われ方もします。

 

 

 

運動会の競技「台風の目」

台風の目について調べていたら見つけたのですが、気象情報と慣用句だけでなく、
「台風の目」という名前の競技もあるんですね。

これは、主に小学校や中学校の運動会や体育祭などで行われる競技で
4~5人を一組とし、全員が一本の長い棒を持ち、定められたコースを走る
競技なのだそうです。

コースの途中には2~3個のコーンが設置され、
それを中心に一回転するのがルールで、リレーなどにして速さを競います。

素早く回転して戻るには、脚の早い人を外側に置き、
そうでない人は内側に配置するとかいった工夫や、
脚の早さだけでなくチームワークも必要な面白い競技みたいです。

運動会で「台風の目」という言葉を聞いた場合は、もしかしたら慣用句ではなく、
こっちの競技の話という可能性もあるかもしれませんね。

ちなみに、この競技には他に、ハリケーンやタイフーン、鳴門の渦潮、
などの別名もあるみたいですよ。

 

 

 

台風の目の意味マトメ

以上、「台風の目」について、
気象現象・慣用句・競技、それぞれにおいての意味などを調べてみました。

気象現象と慣用句については、なんとなくのイメージでしか知らなかったので、
今回調べて、どれについてもはっきりわかったので、
自分の中で大変スッキリして良かったです。

今後は、「台風の目」という言葉、
使えるチャンスが来たら自信をもって使ってみたいと思います。

また、言葉の意味が分かってスッキリしたこの気持ちを、
記事を読んで下さった方にも共有して頂けたら、とっても嬉しいです。